「ワインの種類が多すぎて、どれを選べばいいかわからない」——そんなとき、いちばんの近道はブドウの品種を知ることです。
ワインの味わいを決めるいちばん大きな要因は、実は産地でも年号でもなく、原料の「ブドウの品種」。主要な品種を9つだけ覚えておけば、初めて見る土地のワインでも、だいたいの味の見当がつくようになります。今日は、その9品種を味わいと「性格」の両面から、一緒に整理してみましょう。
目次
ワインの味は「ブドウの品種」でほとんど決まる
同じフランス産でも、カベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールではまったく違う味になります。理由はシンプルで、原料のブドウそのものが違うから。
ルールも覚えやすくて、皮が黒紫色の「黒ブドウ」から造ると赤ワイン、皮が黄緑色の「白ブドウ」から造ると白ワインになります(ロゼだけがこの例外で、黒ブドウを使いながらあえて淡く仕上げる特別な造り方)。
赤と白の違いをもう少し詳しく知りたい方は、赤ワインと白ワインの違い もあわせてどうぞ。ここからは、覚えておくと役立つ品種を色ごとに見ていきます。
赤ワインの主な品種5つ
カベルネ・ソーヴィニヨン
しっかりした渋み(タンニンという渋み成分のことです)と、カシスのような濃い果実の香り。口当たりも重めで、「赤ワインらしい赤ワイン」の代表格です。本場はフランス・ボルドー。カリフォルニアやチリでも主役級です。
味わいの印象は、意志が強くて周りから頼られるリーダー気質。Wine Uranai では カベルネ・ソーヴィニヨンタイプ として、まっすぐで不器用なあなたに重ねています。今日は自分をちゃんと労いたい、そんな夜に。
メルロー
渋みは穏やかで、プラムやチェリーのようなふっくら丸い果実味。「渋いのは苦手」という人が最初に好きになりやすい赤です。フランス・ボルドーの右岸(サンテミリオンなど)が本場で、手頃な価格帯の良品が多いのも魅力。
温かくて包容力があり、そばにいると安心する——そんな雰囲気の一杯。赤ワインデビューにもちょうどいい、肩の力を抜いて飲める品種です。(自分に近いタイプは 性格診断 で見つかります。)
ピノ・ノワール
渋みは軽やか、口当たりも軽め〜中くらい。チェリーやラズベリーのような繊細な香りと、澄んだ酸味。「赤ワインの中でいちばん軽やか」なタイプで、白ワイン派の入り口にもなります。本場はフランス・ブルゴーニュ。栽培がとても難しい“気難しい品種”としても知られています。
感受性が豊かで、相手の気持ちを言葉になる前に察してしまう——ピノ・ノワールタイプ は、そんな繊細なあなたの一杯。もっと知りたい方は ピノ・ノワールの魅力 もどうぞ。
シラー(シラーズ)
黒コショウを思わせるスパイス感と、ブラックベリーのような濃い果実味。渋みもしっかりめで、「スパイシーな赤」といえば真っ先に出てくる品種です。フランス・ローヌ地方では「シラー」、オーストラリアに渡ると「シラーズ」と呼び名が変わり、より濃厚でフルーティーな味わいに。
流行より自分だけの「好き」を大切にする、独特な世界観の持ち主。シラータイプ は、誰にも似ていないあなたに。周りに合わせて疲れた日、自分らしさを思い出したい夜に寄り添います。
サンジョヴェーゼ
酸味がしっかりめで渋みは中くらい、チェリーやドライハーブのような香り。食事と合わせるとぐっと美味しくなる、「食中酒」の代表選手です。イタリア・トスカーナのキャンティやブルネッロの主役として愛されてきました。
情熱的で義理人情に厚く、大切な伝統を守りたい——そんなキャラクターの一杯。気の置けない友人と、食事を囲んでゆっくり話したい夜に。(近いタイプは 診断 でどうぞ。)
白ワインの主な品種4つ
シャルドネ
品種そのものの個性は控えめで、造り方次第で表情が大きく変わる「万能選手」。樽で熟成させるとバニラのような香ばしいコクが、ステンレスタンクで造るとレモンのようにすっきり爽やかに仕上がります。本場はフランス・ブルゴーニュですが、世界中どこでも主役になれます。
どんな場面にも自然に馴染む、しなやかなバランス感覚。シャルドネタイプ は、上品さと親しみやすさを使い分けられるあなたに。頼れる一本を探している夜にぴったりです。
ソーヴィニヨン・ブラン
柑橘とハーブを思わせる、はっきりした爽やかさ。キリッとした酸味で渋みはほぼなく、「白ワインでいちばんわかりやすい爽快感」といえばこの品種です。フランス・ロワール(サンセール)とニュージーランド(マールボロ)が二大産地。
切れ味の鋭さと、裏表のない自然体。ソーヴィニヨン・ブランタイプ は、嘘のつけないあなたの一杯。頭も気分もすっきりさせたい、新しいことを始めたい日に。
リースリング
香りは華やかなのに、甘口から辛口まで幅がある不思議な品種。共通するのは、くっきりした酸味と透明感のある味わいです。ドイツ・モーゼル地方は甘口〜辛口まで幅広く、フランス・アルザス地方は基本的に辛口——「ドイツは幅広い、アルザスは辛口」と覚えると迷いません。
周りが気にしないことまで考えてしまう知性と、静かな芯の強さ。リースリングタイプ は、凛とした透明感のあるあなたに。美しいものに心が震えた夜、そっと味わいたい一杯です。
モスカート
マスカットそのものの、甘くてフルーティーな香り。アルコール度数は5%前後と低めで、口当たりも軽やか。甘口が主流で、ワイン初心者の入り口として人気ナンバーワンです。イタリア・ピエモンテ州の「モスカート・ダスティ」が代表格。
いるだけで場の空気が和らぐ、天真爛漫なやさしさ。モスカートタイプ は、ふわっと包み込むあなたの一杯。まだワインに慣れていない友人と、気軽に乾杯したい夜に。
ロゼとスパークリング、品種の考え方
ロゼは、赤ワインと同じ「黒ブドウ」から造られます。赤ワインと白ワインを混ぜているわけではありません。黒ブドウの皮を果汁に短時間だけ触れさせて、色素を少しだけ移し、あの優しいピンク色に仕上げる——ロゼには専用の造り方があるのです。橋渡し役のような柔らかさを持つ ロゼタイプ も、この記事の隠れた主役かもしれません。
シャンパーニュ(フランス・シャンパーニュ地方の泡だけがこう呼べる特別な名前です)は、主に白ブドウのシャルドネと、黒ブドウのピノ・ノワール・ピノ・ムニエから造られます。黒ブドウを使っていても、皮を早めに取り除くことで透明に近い泡になる——それが「白い泡」の秘密。華やかで祝福の似合う シャンパーニュタイプ にどうぞ。
品種で選ぶ? それとも「性格」で選ぶ?
ここまで9つの品種を見てきて、気づいたことはありませんか。品種の個性は、驚くほど「人の性格」に似ています。まっすぐなカベルネ、繊細なピノ・ノワール、万能なシャルドネ——どれも、あなたの周りにいそうな誰かの顔が浮かびます。
だからワイン選びは、味わいの好みから選んでも、その日の気分や「自分らしさ」から選んでも、どちらも正解。むしろ「今の自分に似合う品種」から入ると、遠回りせずに好きな一本にたどり着けます。